第⑤のルール:「力の吸収(loading)と力の発揮(unloading)」
筋肉をゴムのようなイメージで考えていただくとわかりやすいと思うのですが、
ゴムは伸ばされれば、
縮む。
わけですが、言い方を変えれば、
縮むためには、
伸ばす。
となります。
これを人間の筋肉に例え、且つ歩行動作に当てはめると、
脚を前に出すまえに引く。
※実際はカラダが前にいき、残った脚が後ろに(引いたように)なる
引っ張られた脚の付け根の筋肉(腸腰筋など)が伸ばされた後に
縮むことで、脚が前に出る。
そして、前に出た脚は地面を踏み、
重力をうけ、お尻(大臀筋)は伸ばされ、
縮むことで、カラダが前に動き、反対の脚が出て・・・
こんな感じで、股関節周りの筋肉群である、
腸腰筋や大臀筋が伸ばされたり、縮んだりしながら歩行は行われます。
このように、人間の動作の中には
筋肉による、「力の吸収」(ゴムが伸びる=エネルギーをためる)
と「力の発揮」(ゴムが縮む=エネルギーを放出する)が行われています。
「動作のためのトレーニング」である「ファンクショナルトレーニング」では、
この「力の吸収と力の発揮」もまた、欠かせない要素の一つとなります!
では、どのようなトレーニングが「力の吸収と力の発揮」になるのか?
一般的には『プライオメトリクストレーニング』という部類になります。
例)ジャンプ系のトレーニングなど
カラダには『ストレッチ-ショートニング-サイクル』(伸長-短縮サイクル)
という作用があり、
これは前半に書いたとおり、
「筋肉は伸ばされたら(ストレッチ)縮む(ショートニング)する」という作用です。
この作用をうまく使えば、筋肉をバネのように使うことができ、
スポーツパフォーマンスアップの向上はもちろんの事、
普段の動作も楽になり、歩行時の歩幅、歩数なども衰えにくくなります!(^o^)/
ですので、ご年配の方にも最適のトレーニングになります!
年齢を重ねると、このバネの要素がどんどん低下していきますからね。
だたし、このプライオメトリクストレーニングは筋肉にとって、
そこそこハードに刺激が入りますので、運動不足気味の方やご年配の方は、段階的に取り組む必要があります。
※通常、運動指導現場では怪我を懸念し、プライオメトリクストレーニングは実施されないケースが多い
「若者やスポーツ選手がやるようなトレーニングはお年寄りには無理」
といった考えは間違っています。
もちろん、アスリートと呼ばれる方がやるトレーニングをそのままそっくりやれば危険を伴うものもありますが、
大切なのは、そのトレーニングがカラダにとって必要かどうかです。
「プライオメトリクストレーニング」は必要です!
この『力の吸収と力の発揮』を盛り込んだエクササイズ。
外力に対してカラダが振り回されれず、逆にコントロールでき、時にはその外力を力強く跳ね返すことができる
これが、怪我を発生させないために必要な要素となります!
以上が「ファンクショナルトレーニング」の5つのルールです。
どのルールも、とても大切になります。