前回に続き「〇骨と〇骨はどっちに向く?」という事で、
腹部の活性化と臀部の活性化をする際に
骨盤後傾に導いていくのですが、
その時ポイントとなる場所「恥骨」と「坐骨」をどこに向けるといいか?というところから。
恥骨を巻き上げる
まずは「恥骨」
これは骨盤の前側の真ん中にある骨ですよね。皆さんもわかるかと思いますが、
この骨を「巻き上げる」ように動かすと「骨盤後傾」になります。
「恥骨」には腹直筋がついています。
腹直筋は「恥骨」から「鳩尾」あたり(胸骨のあたり)までついていますので、
「恥骨巻き上げ」は腹直筋を収縮するような方向になります。
ですので「恥骨」はどこを向くか?
「真下」「ちょっと前」「正面」みたいな感じですね。
※人によって感覚は様々ですが、斜め後ろに向かない。
坐骨を埋める
次に「坐骨」ですが、
これは骨盤の後ろ側の下(お尻)にある骨です。左右ありますね。
この骨は「腿裏に埋め込む」方向に動かすと「骨盤後傾」になります。
「坐骨」には腿裏の筋肉(ハムストリングス)がついています。
ハムストリングスは「坐骨」からひざ下の脚(下腿部)についていますので、
「坐骨埋め込み」はハムストリングスの上部を収縮するような方向になります。
というわけで「坐骨」はどこ向くか?
「真下」を向く感覚になります。※これも斜め後ろには向かない。
恥骨を意識したエクササイズ
この「恥骨巻き上げ」を意識させるエクササイズをご紹介。
腹部の筋出力強化としてよく実施しております「フロントプランク」という種目です。
一般的にもよくある種目の一つですが、ポイントを押さえていないと効果は半減します。
という訳でまずはこちら↓
「恥骨巻き上げ」ができていないフォームです。
この場合、腹部の筋出力が入りにくいため強化されていません。
※この時逆に「腰が痛い」感じになっております…
で、こちら↓
こちらは「恥骨巻き上げ」できております!
腹部にしっかりと出力が入って、「ガチッ!」となっています。
この違いわかりますか?このちょっとした入りの角度の違いで、トレーニング効果が全く違ってきます。
坐骨を意識したエクササイズ
つぎは「坐骨埋め込み」を意識させるエクササイズ。
こちらもよく実施されております「グルートブリッジ」とか「バックブリッジ」という種目。
この種目は「グルート」=「臀筋」ですので、お尻とか腿裏の付け根辺りを使いたい種目です。
で、まずはこちら↓
「坐骨埋め込み」ができていないフォームです。
こちらは「鳩尾持ち上げ」とでもいいますか、腰を反らしながら上げたパターン。
背部が優位なトレーニングになっています。
ではこちら↓
「坐骨を埋め込むように、お尻(下)から順番に持ち上げていった」フォームです。
この微妙な違いがわかりますでしょうか?
こうすることで、臀部周辺にしっかりと出力が入ったトレーニングになります。
※ハムストリングスの出力を集中させたい場合は、膝をもっとゆるく曲げて実施すると良い。
臀部の弱化から始まる姿勢不良
という訳で「骨盤後傾」側に導くために必要な
「恥骨」と「坐骨」の向き。
よくやるエクササイズでもこのポイントを意識して実施するだけで、かなりの違いを感じていきます。
人間は二本足で立ち、片脚ずつで歩きます。
そしてそれを「重力」という外力下の中で実施していますので、
脚の付け根=股関節周りの筋肉などの状態がとっても重要です。
身体の前側が重く、且つ前側優位で殆どの動きが行われる生活環境では、
まず「臀部」がしっかりとしていないとカラダとしてうまく機能してくれません。
この「臀部」を締める動き「骨盤後傾」=「恥骨」「坐骨」の向き
これは「腹部」の強化にもつながります。
お尻がたるんだと感じる方。あなたの腹部も緩んでいます。
是非この「恥骨と坐骨の向き」を意識して上記エクササイズを実施してみて下さい!